ほぼ年一の更新となっていますが、さまざまな制作・活動を経て、
自分がおこなっている全てを「映画」と呼べるような状態が整いつつあります。
ひとまず、このホームページ上にもいくらか情報はまとまっているのですが、
SNSや各種動向を、まとめサービス「lit.link」で整理しました。
https://lit.link/jimbo
今後もシンプルに、複雑多様な動向をまとめていきたいと思います。
題名にある「現れ」と「公共」について少し書きたいと思います。
映画監督は映画作品をつくる。当たり前すぎて異論はないかもしれません。
しかし、「本当にそれだけでいいのだろうか?」「実はその他にも"つくれている"ものがあるのではないか?」という仮説を、ここ数年で検証してきました。
そして、映画制作者の僕に関わる人たちの心の中に「一瞬の映画」「脳内映画」とでも言うべきものが立ち上がることが、この数年で実証できてきました。
制作の過程で、僕の関わる人々が自身の代替不可能性について自覚的になるということです。
当人たち固有の言語が引き出され、過去・現在・未来を眺める新たな観点を手に入れ、
しだいに「シーン」のようなものが心の中で認識され始める。
その気付きの瞬間は、例えば、映画・映像鑑賞等によって価値観の更新が行われた経験に近く、エンパワメントとも言える効果があります。
つまり、アウトプットは成果物の映像だけではなく、制作プロセスの随所に宿っているということです。
「撮影・上映なき映像」と名付けたその考え方は、既存の映像コンテンツの駆逐ではなく、
むしろ増強・進化を志向しています。
「撮影・上映無き映像」を経験する人々には「映画に全く興味がない」
「撮られるのが嫌だ」という、映画・映像マーケティングのターゲット層ではない人も
自ずと含まれ、そうした方々が「なぜだかわからないけど映画が観たい」「映画には興味ないけどあの映画監督とのやりとりは記憶に残っている」と考えるようになることも見込んでいます。
このようなまだ誰もしていない試みに賭けたいと、ここ数年で考えるようになりました。
そのため、「小さな公共」をつくって信条・無意識・記憶の「現れ」を誘発する、企業参画を中心とした一連の活動も、僕にとっては「映画」の範疇である(「映画以外」ではない)と自信を持って断言できます。
最後に、2018年から制作してきたイラン・シンガポールとの合作 "On the Zero Line"の動向です。
多くの方々の協力を得て、『オン・ザ・ゼロ・ライン 赤道の上で』というタイトルで2022年10月に福岡市内で開催されたAsian Film Jointで国内初公開をしました。
2024年に国内展開ができるように準備していますが、この展開も「現れ」と「公共」を意識した、誰も試していないような方法でおこなえればと考えています。
どうぞご期待ください!